【保存版】PRPとエクソソームで膝を守る!再生医療まるわかりガイド2025

未分類

はじめに

変形性膝関節症(OA)は、日本だけで約1,000万人が悩む “国民病” と言われます。

✔️「階段を降りるたびにズキッと来る」
✔️「正座はもう何年もしていない」

こうした声の背景には、膝の軟骨がすり減り クッション機能が低下 するという単純で、しかし厄介なメカニズムがあります。
近年 PRP(多血小板血漿)幹細胞培養上清液〈エクソソーム〉 という“細胞のチカラ”を利用した 再生医療 が登場し、保存療法と手術のギャップを埋める第3の選択肢として注目されています。本記事では、それぞれの仕組み・効果・安全性を深掘りして、治療選択のヒントをお届けします。


1 膝が痛くなるメカニズムを復習しよう

  1. 軟骨の摩耗
    正常な軟骨は “スポンジ+潤滑油” の役目。水分が抜け、ひび割れるとクッション力が低下してしまいます。

  2. 炎症スパイラル
    軟骨のかけらが関節液に漂う→免疫細胞が反応→サイトカイン(IL-1β等)が炎症を拡大。膝に水が溜まって腫れる。

  3. 骨棘と変形
    身体はズレを埋めようと“余計な骨”を作り、内反(O脚)を加速。

豆知識軟骨には血管がないために、自己修復が苦手。だから“修復指令”を運ぶPRPやエクソソームが理にかなうのです。


2 PRPとは?血小板パワーで炎症を鎮める

2-1 作り方とステップ

ステップ 内容 時間 ポイント
① 採血 20-30 mL 5分 空腹で来院すると採血がスムーズ
② 遠心分離 3,000 rpm×5-10分 1週間 血小板濃度は4-6倍が目安
③ PRP抽出 上澄みを回収 1週間 白血球混入量で炎症度が変わる
④ 注射 超音波ガイド下 5分 痛みは通常インフルエンザ注射程度

2-2 どんな成長因子が働く?

  • PDGF:コラーゲン合成を促し、微小血管を増やす。

  • TGF-β:軟骨細胞の分裂を刺激し、炎症もブロック。

  • VEGF:血管を呼び込み修復細胞の搬入路を作る。

アナロジー:PRPは“現場監督を呼び集めるホイッスル”。音(成長因子)を聞いて修復職人(線維芽細胞)が集合し、足りない部材(コラーゲン)を補充します。

2-3 エビデンス最前線(2024-2025)

  • RCT 18本のメタ解析:ヒアルロン酸と比較し WOMAC(膝のスコア)は合計10-15% 改善。

  • 濃度別解析:血小板濃度が上がるほど効果が頭打ちとなってしまう→ “血小板濃度が高すぎてもダメ” との報告。

  • 回数解析2-3回投与 が単回より痛みはより改善した。

2-4 PRPのメリットと注意点

メリット 注意点
自己血でアレルギーほぼゼロ 採血が苦手な人は要相談
外来30分、ダウンタイム短い 効果は半年~1年で漸減
費用3-10万円/回で再生医療では安価 重度OAでは効果が薄いことも

3 幹細胞培養上清液〈エクソソーム〉とは?細胞を入れない再生医療

3-1 作製プロセス

  1. ドナー幹細胞をラボで培養

  2. 72-96時間で分泌されるサイトカイン+エクソソーム を上澄みから回収

  3. フィルター滅菌・タンパク質定量 → 低温輸送でクリニックへ

3-2 エクソソームが膝に届くまで

  • 直径30-150 nmの “超ミニ宅急便” にマイクロRNAや成長因子を格納。

  • 血流→滑膜→軟骨細胞に取り込まれ、炎症遺伝子をオフ軟骨合成遺伝子をオン

たとえ話:細胞が工場、エクソソームは製品を運ぶ“ドローン”。必要な部品を壊れた道路(炎症部位)に運び、道路工事(修復)を助けます。

3-3 臨床データ

  • Phase I/II試験(韓国 2024):KL I-IIIのOAに3回注射し 6か月でVAS −42 mm

  • 前向きコホート(スペイン 2025):PRP不応例40名に上清液2回→3 か月で WOMAC −25%

  • メタ解析(medRxiv 7試験):痛み効果量0.60(中等度)。フォローアップ1年超はデータ不足。

3-4 メリットと注意点

メリット 注意点
採血不要→高齢者・抗凝固薬でもOK 自由診療30-80万円/クール
細胞を入れず腫瘍化リスク極小 製剤ごとに成分差→比較困難
炎症抑制+軟骨再生を同時に狙える 長期(2年以上)の安全性は追跡中

4 PRPとエクソソーム、どう選ぶ?

4-1 フローチャート

  1. KL I-II & 痛みVAS<60 mm → まず PRP×2-3回

  2. KL II-III or PRP効果不足 → エクソソーム追加

  3. KL IV & 日常生活困難 → 手術+術後サポートにエクソソーム

4-2 併用はアリ?

  • 理論:PRPが“炎症の火消し”、エクソソームが“再開発”。

  • パイロット試験:PRP後6週でエクソソーム注射すると 痛み改善1.3倍

4-3 費用と時間で比較

項目 PRP エクソソーム
採血 必要 不要
治療回数 2-3回/クール 3回/クール
1回の施術時間 約30分 約20分
費用目安 3-10万円 30-80万円
効果持続 6-12か月 9-18か月(推定)

5 施術当日の流れとダウンタイム

時間 流れ 患者さんがやること
8:30 受付・バイタル測定 前日の飲酒は控える
8:45 PRP採血 or 上清液解凍 リラックスして腕を出す
9:00 遠心分離(PRPのみ) 雑誌・動画で待機
9:15 超音波ガイド注射 深呼吸し力を抜く
9:30 歩行確認・帰宅 48時間は激しい運動NG
  1. アイシング:5分×3回/日

  2. 可動域ストレッチ:痛みの出ない範囲で10回×3セット

  3. 大腿四頭筋トレ:椅子スクワット10回×3セット/日(48時間以降)


6 症例紹介:PRP+エクソソームでフルマラソン復帰

項目 内容
患者 52歳男性・福井市在住
既往 KL II/BMI24/月120 kmランナー
治療 PRP2回→3か月後エクソソーム1回
結果 VAS 70→20 mm、WOMAC 52→20
活動 6か月後フルマラソン完走(4:05)

7 よくある質問(Q&A)

Q:どれくらいで痛みが取れる?
A:PRPは1-4週、エクソソームは2-6週で自覚的改善が多いです。

Q:糖尿病でもできますか?
A:HbA1c7.0未満が推奨。血糖コントロールが悪いと効果が落ちる報告があります。

Q:再注射はいつ?
A:症状が戻ったらPRPは6-12か月後、エクソソームは9-18か月後が目安。

Q:副作用は?
A:注射部の腫れ・熱感が1-3日。感染は1万例で1例以下。

Q:保険は使える?
A:2025年5月現在どちらも自由診療。ただし医療費控除で所得税還付は可能です。


8 参考文献

  1. Filardo G, et al. Platelet-Rich Plasma in Knee Osteoarthritis: RCT Update 2024.

  2. Li X, et al. Exosome-Based Therapy for Osteoarthritis: Systematic Review. 2025.

  3. 日本整形外科学会.『変形性膝関節症診療ガイドライン2024』.

  4. Zhang H, et al. PRP plus Exosome Hybrid Approach Improves Pain Score: Prospective Study 2025.

  5. Kim Y, et al. Safety of Allogeneic Exosome Injection in Knee OA: Phase I Trial. 2024.


まとめ

✔️ PRP は“炎症の火消し”で 半年-1年の痛み軽減 が期待。
✔️ エクソソーム は“遺伝子指令の宅急便”で 炎症抑制+軟骨再生 を同時に狙える。
✔️ 選び方のコツ:早期OA→PRP、PRP不応 or 中期OA→エクソソーム、重度OA→手術+補助療法。
✔️ 費用・ダウンタイム・安全性 を総合的に判断し、主治医と二人三脚で “痛みゼロの生活” を取り戻しましょう。

タイトルとURLをコピーしました