【解説】再生医療は医療費控除の対象になる?

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【解説】再生医療は医療費控除の対象になる?

〜PRP・エクソソーム治療を受けた方へ知っておいてほしい税制ポイント〜
執筆:さくら通り整形外科クリニック 院長 宇賀治 修平


1. はじめに〜「自由診療でも控除になるんですか?」

こんにちは、院長の宇賀治です。
再生医療(PRPやエクソソーム)について、患者さんからよくいただくご質問のひとつが、

「こういう自費の治療って、医療費控除になるんですか?」

結論からお伝えすると、治療目的で行われた再生医療は医療費控除の対象になります
わかりやすく解説していきます。


2. 医療費控除の基本とは?

■ どんな制度?

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円(または所得の5%)を超える場合、
確定申告によって所得税や住民税の一部が戻ってくる制度です。

■ 対象になる条件

  • 病気やケガの治療を目的とした医療費であること
  • 自分または生計を一にする家族のために支払ったこと
  • 実際に支払いがあったこと(現金・カード・振込いずれも可)
  • 支払い内容がわかる領収書や明細書があること

実際にどれぐらい還ってくる?

項目 金額
医療費合計 304,000円
控除対象額(−10万円) 204,000円
還付見込額(所得税10%) 約20,400円

✔️  補足:医療費控除の考え方と実際に得する金額

上の表で紹介したとおり、今回のケースでは…

実際にかかった医療費:304,000円
医療費控除の対象になる金額(=10万円を超えた部分):204,000円
所得税率10%の方なら、約20,400円が税金として戻ってくる見込みです。

これは、実質的に再生医療の費用が約2万円安くなったのと同じことです。

再生医療が控除の対象になる理由

再生医療(PRP・エクソソーム)は保険適用外の自由診療ですが、
当院では「関節の痛みの緩和」や「組織の機能回復」など、明確な治療目的に基づいて実施しています。

たとえば

✔️変形性膝関節症へのPRP療法
✔️肩関節周囲炎に対するエクソソーム注射
✔️医師の指示のもと継続する運動器リハビリ

これらはすべて、医療費控除の対象と考えられます。

対象外の場合

一方、以下のような目的で受ける再生医療は対象外です

美容(肌の若返り、シワ取り、育毛など)
パフォーマンスアップ目的(競技力向上など)

膝のための注射なら基本的に控除対象となることが期待できます。

6. Q&A:患者さんからよくある質問

Q:会社員でも医療費控除は受けられますか?

はい、もちろん可能です。
実は医療費控除は「会社員こそ活用すべき制度」と言えます。年末調整では対応できないため、別途ご自身での確定申告が必要ですが、申告すれば自由診療の医療費も含めて税金が戻る可能性があります。会社員の方でもすべての医療機関受診時の領収書は保存しておくことをおすすめいたします。

最近では、スマートフォンやe-Taxでのオンライン申請も可能となり、非常に簡単になっています。
「うちは会社員だから無理かな…」と思っていた方も、ぜひ一度ご相談ください。

Q:PRPやエクソソーム治療の領収書は医療費控除に使えますか?

はい。 治療目的であることが明記されている場合、医療費控除の対象として申告可能です。領収書に「関節治療目的」などと記載されているかがポイントになります

領収書をなくしてしまいました…

ご安心ください。別途料金発生いたしますが、 当院では、領収書や明細書の再発行が可能です。必要な方は受付にてお申し出ください。

クレジットカード払いでも控除対象になりますか?

問題ありません。 支払方法(現金・カード・振込など)は問わず、患者様ご自身のご負担であれば控除対象となります。

どの期間の医療費が対象ですか?また、いつ申請すればいいですか?」

対象期間は1月1日から12月31日まで。 たとえば2025年の医療費は、2026年2月〜3月の確定申告で申請します。

まとめ|正しく申請して、負担を軽く

再生医療は自由診療ですが、正しく申請すれば医療費控除の対象として税金の一部が戻ってくる可能性が十分にあります

治療の質に加え、制度の知識を活かすことで、患者様の経済的・精神的な負担を少しでも軽くすることができます。

ご不明な点は、いつでもスタッフまでお気軽にご相談ください。

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