【実録】再生医療を受けると“決めた日”の流れ

ブログ

〜エクソソーム・PRP治療とリハビリの“本当の価値”とは〜

はじめに

こんにちは、さくら通り整形外科クリニックの宇賀治です。
このブログでは、当院で導入している再生医療(PRP・エクソソーム)について、実際に「受けると決めた患者さんの1日」をご紹介します。

「手術は避けたい」「でも今の治療では限界を感じる」——
そんな患者さんがどのような流れで再生医療を選ぶのか、その“決断の瞬間”にフォーカスを当ててみました。

流れ

9:00|受付・予診・診察前チェック

この日来院されたのは、60代の女性患者さん。
長年の膝痛に悩み、過去にヒアルロン酸注射・リハビリ・サプリなど様々試したものの、日常生活に支障が出てきたとのこと。

受付後、コンシェルジュが予診を行い、以下の内容を共有

痛みの場所・期間・程度
既往歴・他院での治療経過
現在の困りごと(階段がつらい、正座できない など)

その後、私が診察室で改めて膝の状態を評価。
レントゲンとエコーを照らし合わせながら、「関節のすり減り具合」と「周囲の炎症の程度」を細かく確認しました。

10:30|診察・適応判断

この患者さんの場合、XPでは膝関節の隙間がやや狭くなっている程度
しかし、「動かすと深部に痛みが出る」「正座ができない」などの症状が強く、関節内部の状態を把握するため、MRIを撮影しました。

MRIでは以下のような情報が明確に

✔️軟骨の摩耗や損傷の程度
✔️骨髄浮腫(骨の内圧性炎症)
✔️滑膜炎や関節水腫の有無
✔️半月板や靭帯の損傷

レントゲン+MRIのセット診断が、当院のこだわりです。

11:00|診察・エコー評価・再生医療のご提案

XPとMRIの結果をふまえたうえで、エコーも使用して膝周囲の状態をチェック。

この患者さんは「変形性膝関節症の中等度」「滑膜炎あり」「骨髄浮腫なし」という結果でした。
こうしたケースでは、再生医療による炎症コントロールと組織回復が十分に期待できると判断できます。

ご提案した選択肢は以下のとおり

治療法 特徴 使用するもの 期待される効果
PRP療法 自分の血液を使った自然な治療 患者さん自身の血小板 炎症を抑える・組織修復を促す
エクソソーム療法 幹細胞由来の再生成分を使う先進医療 幹細胞から抽出した情報カプセル 組織の再生促進・炎症抑制・抗老化

11:10|同意手続き

治療方針が決まり、ご本人が「やってみたい」と意思を固められた段階で、契約手続きへ。
当院では以下の書類を丁寧にご説明しています

  1. 治療内容とスケジュール
  2. 副作用やリスク(腫れ・痛み・一時的なだるさなど)
  3. 費用

なお、PRP・エクソソーム療法はすべて「自由診療(保険適用外)」となります。

内容や費用にご納得いただいた上でのみご契約いただき、治療後には医療費控除対象となる領収書も発行可能です。

「患者さん自身が納得して選べる医療」であることを、私たちは何より大切にしています。

エクソソームを選ばれた方の契約後の流れ

STEP 1:治療日のご予約

ご希望に応じて、最短で契約の翌日に施行が可能です。

STEP 2:当日の確認と準備

✔️ ご来院後、体調や患部の状態を再確認
✔️ 治療部位の洗浄・消毒
✔️ 注射に向けて、医師がエコーでポイントを確認

エクソソーム注射(約5〜10分)

✔️ 無菌操作で正確に注射
✔️ 治療後はすぐ歩行可能ですが、当日は激しい運動はお控えください

今後のリハビリ・経過説明

痛みや動きの変化をみながら、1〜2週間以内の再診 or リハビリをご提案
状態に応じて、2〜3回シリーズで治療を行うケースもあります

PRPを選ばれた方の契約後の流れ

PRP療法は、ご契約いただいたその場で注射を行うことはありません。
まずは採血日を決め、そこから3週間ほどかけてPRPを準備する必要があります。

STEP 1:契約と治療スケジュールのご相談

ご本人の希望・体調・生活スケジュールに合わせて「採血日」「注射日(施行日)」を決めます。
通常、採血から3週間程度で施行が可能です(製剤の準備に時間を要します)。

STEP 2:採血(所要時間 約10分)

まずは採血を行います。
PRP治療では、一般的な検査よりも多めの血液(約50〜60ml程度)を採取します。
※症例や製法により変動します。

また、PRP療法では施行の可否を判断するために、同時に血液検査(感染症・炎症反応など)も実施します。
検査の結果によっては、安全性を考慮し、施行を中止または延期する場合があります。

✔️ 採血時の注意点

  • 前日から水分をしっかり摂取していただくことをおすすめします(脱水状態だと採血が難しくなります)

  • 施行当日ではなく、採血のみの日程です

  • 採血後は軽い安静をお願いし、激しい運動や長時間の入浴はお控えください

STEP 3:PRP製剤の加工・準備(約3週間)

採取した血液は専用施設で加工され、高濃度PRPとして製剤化されます。
製品は安全性・滅菌性・濃度などをチェックしたうえで、冷凍保管されます。

STEP 4:治療当日(注射)

施行日当日は、再度診察と患部の状態確認を行います。
エコー下で正確に注射を行い、施術自体は10分程度で終了します。
注射後は軽い安静をお願いしつつ、帰宅可能です。

STEP 5:施術後のフォローとリハビリ

注射直後は患部を使いすぎないよう注意いただき、翌日以降の痛みや経過を観察します。
状態に応じて、数日〜1週間後にリハビリ開始をご案内いたします。

再生医療×リハビリ

リハビリとの併用で“治療のチカラ”を最大限に引き出します

再生医療(PRP・エクソソーム)は、ただ注射をするだけではありません。
「注射 × 運動療法」= 本来の回復力を高めるための“相乗効果”が大きなポイントです。

患部に適切な刺激を与え、再生をサポートする動き方・筋力の使い方を習得することで、
注射によって始まった回復の流れを“長持ちさせる・強くする”ことができます。

当院では、医師と理学療法士がしっかり連携し、

✔️ 症状に合わせた1対1の個別リハビリ
✔️ ご自宅でも無理なく続けられるホームエクササイズのご提案

などを通じて、「治すための体づくり」をご一緒に行っていきます。さらに、症状の軽減後や、完治後のフォローアップにおいても、リハビリは重要な役割を果たします。

痛みが落ち着いた後も、再発を防ぎ、安定した関節の動きを保つために、

  • 柔軟性や筋力の再チェック

  • 関節に負担をかけない日常動作の再学習

  • 体の使い方や姿勢のクセの改善

といったアプローチを継続的に行います。
再生医療の効果を一過性のものにせず、「しっかり治す」「ぶり返さない体づくり」を一緒に目指していきます。

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