PFC-FDの副作用とリスク ― 起こりうる症状・受けられない場合・注射後の過ごし方

「PFC-FDの副作用とリスク 受ける前に知っておくこと」と書かれた、膝の関節とチェックリストのイラスト入りのアイキャッチ ブログ
この記事の要点
  • PFC-FDはご自身の血液からつくりますが、副作用がないわけではありません。
  • 起こりうることは「注射した場所の反応」「採血のときの反応」「効果の個人差」の3つに分けると整理しやすくなります。
  • 体の状態や飲んでいる薬によっては、治療を見合わせたり、受けられなかったりすることがあります。
  • 受けられるかどうかは、診察と検査のうえで医師が判断します。
  • 公的医療保険が使えない自費診療で、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。

PFC-FD療法について調べると、「自分の血液を使うから安心」という説明を目にすることがあります。材料がご自身の血液であることは事実ですが、関節に注射をする治療である以上、起こりうることはあります。

この記事では、PFC-FD療法を検討している方に向けて、起こりうる症状、治療を受けられない場合、注射のあとの過ごし方を整理します。良い面だけでなく、知っておいていただきたい面を先にお伝えするための記事です。実際に受けられるかどうかは、お一人おひとりの状態によって異なりますので、診察でご確認ください。

「自分の血液だから副作用がない」わけではありません

PFC-FDは、患者さんご自身の血液を加工してつくるものです。ほかの人の血液や動物に由来する成分を使うものではないため、重いアレルギー反応は起こりにくいとされています。ただし、「起こらない」と言い切れるものではありません。PFC-FDがどのようなものかは、PFC-FDとは何か ― PRPとの違いを構造で整理でご説明しています。

また、材料が何であっても、針を刺して採血し、関節の中に注射するという手順は変わりません。注射に伴う痛みや腫れ、まれに感染などが起こる可能性は、ほかの関節注射と同じようにあります。

起こりうる症状を3つに分けて整理

PFC-FD療法で起こりうることを3つに分けた図。左から、注射した場所の反応、採血のときの反応、効果の個人差
起こりうることを3つに分けて整理した図。感じ方や経過には個人差があります
  • 1. 注射した場所の反応痛み、腫れ、熱感、内出血、血腫(血のかたまり)。まれに、関節の中の感染、神経の損傷、アレルギー反応。
  • 2. 採血のときの反応気分が悪くなる、めまいがする(血管迷走神経反応)。針を刺した場所の内出血。
  • 3. 効果の個人差同じように注射をしても、感じ方には個人差があります。十分な効果が得られない場合があります。

注射した場所に起こりうること

注射のあと、膝に痛みや腫れ、熱っぽさ、内出血が出ることがあります。多くは時間とともにおさまっていきますが、経過には個人差があります。

頻度はまれとされていますが、関節の中に細菌が入って感染を起こす、針によって神経を傷つける、アレルギー反応が出る、といったことが起こる可能性もあります。感染を防ぐため、注射は皮膚を消毒したうえで行います。

採血のときに起こりうること

PFC-FD療法では、約50mLの血液を採ります。採血のときに、緊張や痛みをきっかけに気分が悪くなったり、めまいがしたりすることがあります(血管迷走神経反応)。過去に採血や注射で気分が悪くなったことがある方は、あらかじめお知らせください。横になった姿勢で採血するなどの対応をします。

効果が十分に得られない場合があること

体に起こる症状とは別に、「費用をかけても、期待したほどの変化を感じられない場合がある」ことも、知っておいていただきたいリスクのひとつです。とくに、変形が大きく進んだ段階では、PFC-FD療法で期待できる効果は限られます。当院では、この点も診察の場で率直にお伝えしています。

治療を受けられない場合・見合わせる場合

問診スペースで、女性の患者さんが体調について話し、看護師がうなずきながら聞いている様子
※ 写真はイメージです

PFC-FD療法は、希望すればどなたでも受けられるものではありません。体の状態や飲んでいる薬によっては、治療を見合わせたり、時期をずらしたり、受けられなかったりすることがあります。

次に当てはまる方は、必ずお申し出ください

  • 膝や、注射をする場所の皮膚に、感染や強い炎症がある
  • 熱がある、体調がすぐれない
  • 血液をさらさらにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲んでいる
  • 血液の病気がある、貧血が強いと言われている
  • がんの治療を受けている
  • 妊娠中、または授乳中である
  • 免疫を抑える薬を使っている
  • 過去に、採血や注射で気分が悪くなったことがある

当てはまる項目があっても、それだけで受けられないと決まるわけではありません。お薬手帳をお持ちいただき、治療中の病気がある場合は主治医の先生のお名前もお聞かせください。飲んでいる薬をご自身の判断でやめることは、しないでください。

加工の前に、血液の感染症検査を行います

採取した血液は、国(厚生労働大臣)の許可を受けた特定細胞加工物製造施設に送り、加工の前に感染症の検査(HIV・B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・梅毒・HTLV-1)を行います。

検査の結果は、注射の前に医師が確認します。お伝えすることがある場合は、診察の際に個別にご説明します。

膝の状態によっては、ほかの治療をご案内します

診察と画像検査の結果、PFC-FD療法よりも先に検討したほうがよい治療がある場合は、そちらをご案内します。当院では、保険診療でできることを先に確認することを基本にしています。この順番の考え方は、膝の痛みで自費診療を考える前に ― 保険でできることをやり切るでご説明しています。膝の治療の全体像は、膝の痛みの治療法を一覧で比較もあわせてご覧ください。

なお、当院では手術は行っておりません。手術が必要と判断した場合は、連携する医療機関にご紹介します。紹介先で手術を受けたあとのリハビリテーションは、当院で継続していただけます。

注射のあとの過ごし方

自宅のリビングで、女性がソファに腰かけて湯のみを手に落ち着いて過ごしている様子
※ 写真はイメージです

入院は必要なく、注射のあとは歩いてお帰りいただけます。注射した膝に負担をかけすぎないよう、次の点をお願いしています。

時期お願いしていること
注射の当日湯船につかる入浴は控え、シャワーのみにしてください。
2〜3日のあいだ長湯は避けてください。運動はお休みし、腫れがなければ再開できます。
しばらくのあいだ長い時間の歩行や階段の上り下りなど、膝に強い負担がかかることは控えめにしてください。

※ 過ごし方の目安です。膝の状態によって異なりますので、注射の日に個別にご説明します。

注射のあとは、1週間後と1か月後を目安にご来院いただき、経過を確認します。痛み止めや湿布など、注射のあとに使ってよい薬については、診察の際にご説明します。

こんなときは、早めにご連絡ください

注射のあとに次のような症状があるときは、次の来院日を待たずに、お電話でご連絡ください。

  • 膝の強い痛みや腫れが続く、日ごとに強くなる
  • 膝が熱を持って赤くなっている
  • 熱が出た
  • 足にしびれや、力の入りにくさがある

電話:0776-58-7138(診療時間内)

費用と制度の面で知っておきたいこと

  • 公的医療保険は使えず、費用は全額自己負担です
  • PFC-FDは、医薬品医療機器等法上の承認を受けた医薬品ではありません
  • 医薬品ではないため、医薬品副作用被害救済制度の対象外です
  • 効果には個人差があり、十分な効果が得られない場合があります

医薬品副作用被害救済制度は、承認された医薬品を正しく使ったにもかかわらず重い健康被害が生じたときに、給付を受けられる公的な制度です。PFC-FDは医薬品ではないため、この制度の対象になりません。費用の内訳と、未承認であることに関する説明は、この記事の末尾にまとめています。

医療費控除の対象となる場合があります

PFC-FD療法の費用は、医療費控除の対象となる場合があります。医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定の額を超えたときに、確定申告をすることで税金の一部が戻ってくる場合がある制度です。生計を一にするご家族の医療費も合算できます。

目安は「医療費控除チェッカー」で確認できます

当院のサイトに、年収と1年間の医療費を入力すると、控除額と軽減される税額の目安を計算できる医療費控除チェッカーをご用意しています。費用を検討するときの参考にお使いください。

結果は概算の目安であり、税務上の助言ではありません。実際に対象となるかどうかや還付の額は、税務署または税理士にご確認ください。領収書は、申告のときまで保管しておいてください。

よくいただくご質問

自分の血液を使うのに、なぜ副作用があるのですか

材料がご自身の血液でも、採血と関節への注射という手順に伴う反応は起こりえます。注射した場所の痛みや腫れ、内出血のほか、まれに感染などを起こす可能性があります。

注射のあとの痛みや腫れは、どのくらい続きますか

経過には個人差があり、一律にはお答えできません。強い痛みや腫れが続く、日ごとに強くなる、熱を持って赤い、熱が出たといった場合は、早めにご連絡ください。

血液をさらさらにする薬を飲んでいても受けられますか

薬の種類や、飲んでいる理由によって判断が変わります。診察の際に必ずお申し出ください。処方している先生と相談のうえで判断しますので、ご自身の判断で薬をやめることはしないでください。

持病があります。相談だけでもできますか

ご相談いただけます。治療中の病気と飲んでいる薬が分かるもの(お薬手帳など)をお持ちください。受けられるかどうか、保険の範囲でできることがあるかどうかを含めて、診察でお伝えします。

説明を聞いて、受けないと決めてもよいですか

もちろん構いません。その場で決めずに、持ち帰って検討していただくこともできます。診察は、自費の治療をお勧めすることを目的としたものではありません。

まとめ

PFC-FD療法は、ご自身の血液を材料にする注射ですが、副作用がないわけではありません。注射した場所の痛みや腫れ、内出血、まれに感染などが起こる可能性があり、採血のときに気分が悪くなる方もいます。効果には個人差があり、十分な効果が得られない場合もあります。

体の状態や飲んでいる薬によっては、治療を見合わせたり、受けられなかったりすることがあります。受けられるかどうかは、診察と検査のうえで医師が判断します。気になる点がある方は、お薬手帳をお持ちのうえ、一度ご相談ください。

気になることは、診察でそのままお聞きください

保険診療での診察・検査・リハビリからご相談いただけます。

PFC-FD療法に関する説明(自由診療)
公的医療保険の適用について
本治療は自由診療であり、公的医療保険は適用されません。費用は全額自己負担となります。
標準的な費用
スタンダード(PFC-FD):1回 163,000円/2回 251,000円/3回 350,000円
プレミアム(PFC-FD 2.0・5.0):1回 328,000円/2回 548,000円/3回 713,000円
いずれも税込。採血・血液の加工・注射までの費用を含みます。医療費控除の対象となる場合があります。
治療の内容
患者さんご自身の血液を約50mL採取し、国(厚生労働大臣)の許可を受けた特定細胞加工物製造施設で、感染症検査のうえ加工します。加工にはおよそ3週間かかり、後日あらためて膝関節内に注射します。採血日と注射日は別の日となります。
主なリスク・副作用
注射部位の痛み、腫れ、熱感、内出血、血腫が生じることがあります。まれに関節内の感染、神経の損傷、アレルギー反応を起こす可能性があります。採血に伴い、気分不良やめまい(血管迷走神経反応)が生じることがあります。効果には個人差があり、十分な効果が得られない場合があります。
未承認医薬品等であることについて
本治療に用いるPFC-FDは、医薬品医療機器等法上の承認を受けた医薬品ではありません。医薬品ではないため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
入手経路等
患者さんご自身から採取した血液を原料とし、国(厚生労働大臣)の許可を受けた特定細胞加工物製造施設において加工されたものを使用します。医師の個人輸入によるものではありません。
国内の承認医薬品等の有無
本治療と同一の効能・効果で国内の承認を得た医薬品はありません。
お問い合わせ先
さくら通り整形外科クリニック 電話 0776-58-7138/福井県福井市日之出4-11-17
宇賀治 修平 院長
監修

宇賀治 修平(うがじ しゅうへい)

さくら通り整形外科クリニック 院長/整形外科専門医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター
福井県福井市日之出4-11-17

この記事を執筆した人
宇賀治 修平 院長
宇賀治 修平
  • 医学博士
  • 日本整形外科学会整形外科専門医
  • 日本足の外科学会認定医
  • 日本スポーツ協会認定スポーツドクター
  • 日本骨粗鬆症学会認定医
  • 日本整形外科学会認定リハビリテーション医

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